2012年4月12日木曜日

理性の敗北

お腹がすいている。だったら食えばいいのだが、そうはいかない理由があった。明日が健康診断なのだ。今更この一年の不摂生を、たかが数日の絶食でまかなえるとは思っていないが、それでも、少しでもいいコンディションで採血をされたいと思うのがアラサーの本音だ。


思い起こすのは一昨年。「まだ若いからどんな不摂生をしても平気!」と自分に言い聞かせ、好きなだけ暴飲暴食を繰り返して診断に臨んだところ、私の手元に届いた診断結果には『要治療』の文字がいくつも躍った。「アンタどんだけ酒を飲んでんの!?は!?毎日一合!?ウソつけ、それしか飲んでないんだったらこんな数値はありえない!!」と女医に激昂され、医師への紹介状まで書かれてしまった。医者に行くのがイヤだったのでそれを無視し、去年は診断一ヶ月前から煮浸しだけを食べることで何とか事なきを得たのだが、今回はそんな前準備は一切していない。先週も焼肉食べ放題に行ってしまった。明日のことを考えると恐ろしいが、ここ数日、少しでも絶食していれば、結果はわずかでもいいものになるだろう。お腹がすいても、この一年の私の健康のためだ。少しくらい我慢しなくては……そう、歯を食いしばって空腹に耐えていた午後九時。電話が鳴った。先輩からだった。


「もしもし?メシ食いに行こうぜ!健康診断!?なんとなかなる!!」


二十分後、駅前の酒場にはピザやら唐揚げやら豚バラ肉やらと共に、大量のビールを摂取する私がいた。さようなら、健康。

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